東芝ライフスタイルの取り組み
製品環境技術

省エネと食品ロス
問題に取り組む

炊飯器の開発では「ごはんをおいしく炊き上げる」ことが一番の目標。
そのためには大きなエネルギーが必要となります。加熱効率のよいIH加熱と
きめ細かな制御により、省エネや食品ロス低減を実現しています。

省エネ技術 省エネ技術「エコ炊飯」で消費電力量削減とおいしさを両立

1回当たりの炊飯時消費電力量

ごはんのおいしさの追求にゴールはありません。エネルギーと時間と手間をいくらでもかけてよければ話は別ですが、毎日の炊飯でそのような労力をかけるのは現実的ではありません。現代では少ない電力量で、できるだけ短時間で、手間なくという条件が必須です。限られた条件の中でいかにおいしさを最大化するかが技術の見せどころ。省エネ技術は炊飯器のコア技術と言っても過言ではありません。

一般的に、炊飯器においては加熱量とおいしさが比例する傾向があります。お米の芯までしっかり熱が入ることで、ふっくらとしたごはんに炊き上がるからです。「エコ炊飯」モードでは、沸騰後に圧力をかけたままにすることで熱を逃がさず、釜内の温度をより少ない電力で保ちます。当社炊飯器RC-10ZWWの場合、1回当たりの炊飯時消費電力量は「匠炊き ふつう」モードで184.1Whのところ、「エコ炊飯」モードでは178.0Whに抑えます。消費電力量を抑えたい場合には「エコ炊飯」をおすすめします。

食品ロス削減 食品ロス削減「真空保温」と「冷凍ごはんコース」でおいしさ長持ち

通常保温真空保温

ごはんはその時食べる分だけを炊くのが理想ですが、忙しい現代ではなるべく手間と時間を省きたいところ。昨今では、家族構成やライフスタイルの変化に合わせ、ある程度まとめて炊飯する方も増えています。まとめて炊飯することで効率化や消費電力量の削減にもつながりますが、それでおいしさが損なわれるようでは元も子もありません。まとめ炊きしたごはんも、おいしく食べ切っていただくことで、食品ロス削減に貢献したいと考えています。

食品ロス削減のために注力した技術は大きく2つ。1つは長時間保温してもおいしさを保ち続ける「真空保温」です。お米の芯まで素早く吸水させるための「真空ひたし」に使われる真空ポンプの機能を保温時にも活用。24時間経過しても粒立ちふっくらのごはんを味わえます。従来、白米を保温すると40時間後にはごはんの質量が約4%損なわれていましたが、「真空保温」での損失は半分の約2%にとどまり、ニオイや乾燥、変色を抑えながら保温できます。

保温時の質量変化率
冷凍ごはんコース

もう1つは「冷凍ごはんコース」です。コースを選択するだけで、あたためなおしても水分を多く含むように炊き上げます。週末など時間がある時にまとめ炊きして、1食分ずつ冷凍しておけば、食べたい時にレンジであたためるだけで、すぐに炊きたてのようなおいしいごはんを食べることができます。「真空保温」と「冷凍ごはんコース」は、無駄なくおいしくごはんを味わえる使い勝手の良い機能として、まとめ炊き派の方に活用されています。

使用資材の削減 使用資材の削減梱包材を細分化し発泡スチロールを低減

効率よく製品を梱包するためにCADで検証効率よく製品を梱包するためにCADで検証。

炊飯器は出荷時に上部と底部それぞれの全面を覆うような2つの発泡スチロールの梱包材で保護してきましたが、環境負荷低減を目指し、2018年に梱包材を見直しました。上部と底部それぞれの面を覆う1つの梱包材を2つに分けて発泡スチロール材を減らしながら、炊飯器のコーナーを4つの梱包材でしっかり保護することで、従来あった中間部分がなくても衝撃に耐えられる構造に変更しています。少ない体積でも耐衝撃性を確保するために、梱包材の厚みを位置によって変え、補強のリブも加えて設計しています。実際に、梱包した状態で実機を落下させる試験を行って検証し、必要最小限の梱包材で十分な耐衝撃性を確保するための工夫を重ねています。

イメージ画像
イメージ画像

発泡スチロール材を極限まで削減しながら、必要な耐衝撃性を確保。

インタビューイメージ
 

炊飯器は生活家電の中でも比較的大きな電力を必要とする家電機器です。十分な加熱を保ちながら一層の省エネを実現できるように研究開発を続けていきます。また、使用する素材についてもより環境負荷低減に寄与する新素材を追求していきます。

※CG画像、イラストは全てイメージです。